夏のシュノーケリング教室

文責:堀田

 臼尻実験所の夏の大イベント、シュノーケリング教室が今年も行われました!今年は中学生・高校生対象の実習と小学生対象の実習の2回開かれました。私も初めてのシュノーケリング教室です。なにやら毎年大仕事だということでいささか緊張して臨みました。本日はその様子を魚練者(ウオレンジャー)ピンクこと堀田が皆様にお伝えしたいと思います。




 え、魚練者とは何か?
 7月某日、魚練者本部の宗原弘幸所長から私たち臼尻実験所メンバーにオリジナルスーツを手渡されるとともに辞令が下りました。
「辞令 堀田海帆 魚練者に命ずる 魚練者本部」
 オリジナルスーツはみんな色違いで、胸には魚練者のエンブレム!!そう、あの日私たちは魚練者としてシュノーケリング教室を遂行するべく任務を課せられたのです。当日滑るか受けるか、どきどきしながら準備を進め出動日を待ちました。



 そして迎えた当日、まずは中学生・高校生の実習のほうからお伝えしていきましょう。今年のテーマは「北海道の魚たちの由来をたどる」です。一日目は特に臼尻実験所の近くで見られるアイナメ属魚類3種類について、外部の形態から遺伝子まで観察してみようという実験。まずは海へ出てアイナメ属魚類を探してみよう!ということで早速シュノーケリングです。海で泳いだことがある人も無い人も、シュノーケルを使ったことがある人も無い人も、魚練者にお任せ!道具の身につけ方から丁寧に教えちゃいます。 

  

 最初は浅いところで基本的な浮き身や、シュノーケルクリアなどの技術を学びます。さすがは中・高校生、みんなすぐに慣れてきてぐんぐん泳ぎ始めますね。慣れてきたらアイナメ属魚類を釣ってみよう!ということでシュノーケリングしながら釣りをするという新たな試みに挑戦です。最初は私たちもそんなことできるのか?と思っていたのですが、これが結構面白い。でもアイナメ属は恥ずかしがり屋でいつも岩陰などに隠れているので釣るのはなかなか難しかったかな。餌が無くても食いついてくる元気なエゾメバルがたくさん釣れてしまったみたいです。

 しかしこんなこともあろうかと、魚練者本部はあらかじめ観察用のアイナメ属魚類を用意しています!次は自分のもらったアイナメ属魚類がアイナメ・クジメ・スジアイナメのどの種なのか、外部形態の観察から予想します。これをDNAでも確かめるために、魚のヒレの一部をきりとってそこからDNAだけを取り出す、という作業をします。取り出したDNAは、短時間でDNAを増やしてくれる機械に入れて、次の日まで待ちます。さぁ晩御飯だ!

  

 晩御飯のメニュー・・・それは去年臼尻メンバーを驚かせたあの!マグロ丼です。そう、今年も宗原校長先生によるマグロ解体ショーが開かれました。これは生徒はもちろん、我々レンジャーたちも興味深々。なんといっても水の抵抗に対して一切の無駄を省いたマグロのボディが見ものです。そしてきれいにさばかれて盛り付けられてしまったマグロ。マグロが食べ放題だなんて、私も生まれて初めて最初で最後かも知れません・・・!!

  

 次の日は増やしたDNAを電気泳動にかけて、それぞれ増やしたところのDNAの大きさの違いが目で見て分かるようにします。外部形態で観察した結果と一致すれば成功!そしてこの日のメインは地引網です。みんなで地引網を引いてかかった魚の種類を図鑑で調べます。網は砂場と藻場の二箇所で引きます。良く見るとそれぞれの場所で取れた魚の種類が少し違うんです。

     

 最後に自分たちの班が面白いと思った実験について斑ごとに発表してもらいました。班で話し合って、短時間でひとつの発表をまとめるということは結構大変だけど、大切なことだと思います。中・高校生位だとそんな経験も少ないと思いますが、班ごとにそれぞれのカラーが出た発表ができていて、とても面白かったです。

 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、今年のこの実習はものすごく内容が濃い!濃かった!生徒の皆さんもあれよこれよと大変だったと思いますが、楽しんでくれたら我々魚練者も本望です。たぶん。こんなに色々なことを二日で体験できるなんてラッキーですよ。私も学生の頃に参加したかったです。うらやましいなぁ。これからもこの経験を生かして、興味のあることにどんどん挑戦して行って欲しいですね!


    





 さて、次は小学生のシュノーケリング教室についてもお伝えしましょう。もう少しお付き合いくださいませ。
 小学生向けのほうは、楽しく海の中を観察してみようというような目的です。小学生だって、泳げなくたって魚練者へおまかせです!自己紹介が終ったら、早速機材を選んで、まずはお風呂で練習です。小学生だってちゃんと練習すれば基本的なスキルがすぐにできるようになります。そうすれば海に出ても怖くありません。

  


 午前中に十分練習したら、午後は海へいきます!浮き輪にしがみついてしまう子も多いのですが、しがみつきながらもみんな必死で海の中を見ていました。エゾメバルはもちろん、良く見ればウニやヒトデやナマコなんかも見つけられます。浅いところではカニやヤドカリ、フジツボなんかもたくさんいるんです。

  

 せっかくみんな海の近くに住んでいるのだから、これを機会にもっと海を身近に感じて、もっと海で遊んでくれるようになったらいいなと思います。みんな楽しんでくれていたみたいで、私もうれしいです。こんなふうにみなさんのお役に立てるなら、魚練者になれて、良かった、かもしれない。

 今回の実習を行うにあたってたくさんの方の協力を頂きました。動物講座から大橋さん、永野さん、田島君、須田さん、長尾君。北大事務から西村さん、山内さん、新田さん。もう水産高校の先生ですけれど来てくれた鶴岡さん。みなさまの協力がなかったら楽しく無事に実習を終えることができませんでした。ありがとうございます。
 今年の反省を生かして、先輩たちが卒業してしまっても、来年も楽しいシュノーケリング教室が開けるように頑張りたいと思います!


















こうして我々の任務は終了しました。
また会う日まで、さようなら!



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